「来週の会食、うなぎ屋を予約したけれど…『Eel(うなぎ)』と言って『蛇みたい!』と引かれたらどうしよう?」
そんな不安を抱えていませんか?
実は、その不安は的中する可能性が高いです。欧米圏の検索データを見ると、「Eel」という単語は「Snake(蛇)」や「Slimy(ぬるぬるする)」といったネガティブなイメージと強く結びついているからです。
しかし、紹介の仕方を少し変えるだけで、相手の反応は「No thanks(遠慮します)」から「I want to try!(食べてみたい!)」に劇的に変わります。
この記事では、単なる翻訳ではない、外国人の食欲を刺激する「Japanese BBQ Fish」戦略と、そのまま使える魔法のフレーズ集を伝授します。
なぜ「This is Eel」と言うと失敗するのか?
まず、あなたの不安の正体をはっきりさせましょう。なぜ「This is Eel」と言うと、相手は顔をしかめるのでしょうか?
それは、多くの欧米人にとって「Eel」という言葉が、食材ではなく「生物(しかも不気味な)」を指す言葉として認識されているからです。
私たち日本人が「うなぎ」と聞いて、香ばしいタレの匂いや、ふっくらとした蒲焼きを想像するのに対し、彼らの脳内には「川底を這う、ぬるぬるした長い生き物」が浮かんでいます。いきなり「今日は美味しい『蛇のような生き物』を食べに行こう」と誘われたら、誰だって躊躇しますよね。
つまり、失敗の原因はあなたの英語力ではなく、「生物学的な名称」をそのまま伝えてしまっていることにあるのです。
魔法の言葉「Japanese BBQ Fish」戦略
では、どうすればいいのでしょうか?答えはシンプルです。生物としての名前ではなく、調理法と味のイメージを先に伝えるのです。
私が提案する最強の戦略は、うなぎを「Japanese BBQ Fish」と再定義することです。
うなぎの蒲焼き(Kabayaki)を分解してみましょう。
- 魚を開いて(Filleted)
- 炭火で焼いて(Charcoal Grilled)
- 甘辛いタレをつける(Sweet Soy Sauce)
このプロセスは、欧米人が大好きな「BBQ」そのものです。「Eel」という単語を出す前に、「炭火で焼いた、甘辛いソースの魚料理」というイメージを相手の頭の中に作り出す。これが、食わず嫌いを防ぐための鉄則です。

【結論】: 第一声は必ず「調理法(Grilled)」から入り、相手が「美味しそう」と思ってから食材名を明かす順番を守ってください。
心理学には「フレーミング効果」という概念があります。同じ物事でも、どの枠組み(フレーム)で提示するかによって、受け手の印象が大きく変わる現象です。最初に「BBQスタイルの魚」というポジティブなフレームを提示することで、その後に「実はEelなんだ」と伝えても、相手は「Eel=不気味」ではなく「Eel=美味しいBBQ魚」という文脈で情報を受け取ることができます。これは、異文化理解のハードルを下げるための最も論理的なアプローチです。
そのまま使える!シーン別「おもてなし英語」スクリプト
ここからは、実際に食事の席で使える具体的なフレーズを紹介します。単語を入れ替えるだけで、あなたの説明は劇的に魅力的になります。
1. お店を提案する時
× NG: “Let’s go eat Eel.”
(うなぎを食べに行こう)
○ OK: “I’d like to take you to a place that serves Japanese style BBQ fish.”
(日本のBBQスタイルの魚料理を出すお店に連れて行きたいんだ)
まずは「BBQスタイル」という言葉で安心感を与えましょう。
2. 味と食感を説明する時
× NG: “It has a rubbery texture.”
(ゴムみたいな食感だよ)
○ OK: “It’s fluffy and melts in your mouth.”
(ふわふわで、口の中でとろけるんだ)
○ OK: “The sauce is like caramelized soy sauce, savory and sweet.”
(タレは焦がし醤油みたいで、甘辛いよ)
「ゴムっぽい(Rubbery)」は最悪の褒め言葉です。The Spruce Eatsなどの海外グルメメディアでは、うなぎの食感を表現する際に “Fluffy”(ふわふわ) や “Melt-in-your-mouth”(とろける) という言葉が使われています。また、タレの味を “Caramelized”(キャラメリゼされた) と表現すると、香ばしさが伝わりやすくなります。
(出典: What Is Unagi? – The Spruce Eats)
3. 文化を語る時
× NG: “We eat it for tradition.”
(伝統だから食べるんだ)
○ OK: “It’s a natural energy booster for summer, rich in Vitamin A.”
(これは夏のための天然のエナジードリンクみたいなもので、ビタミンAが豊富なんだ)
単に「伝統」と言うよりも、「なぜ食べるのか」という機能性を説明した方が納得感があります。Umami Bitesの記事でも紹介されている通り、うなぎは実際にビタミンが豊富で、夏バテ(Summer fatigue)に効くという科学的な裏付けがあります。
(出典: Why Japanese Eat Unagi in Summer: Tradition, Health, and Local Spots – Umami Bites)
言い換えリスト:NGワード vs OKワード
| 伝えたいこと | 使ってはいけないNGワード | 使うべきOKワード |
|---|---|---|
| 食材名 | Eel, Snake-like fish | Japanese BBQ Fish, Charcoal Grilled Fish |
| 食感 | Rubber, Slimy, Chewy | Fluffy, Soft, Melt-in-your-mouth |
| 味 | Fishy, Salty | Savory, Sweet & Salty, Rich, Caramelized |
よくある質問(骨・毒・穴子との違い)
ゲストが興味を持つと、少し鋭い質問が飛んでくることがあります。慌てずに答えられるよう、準備しておきましょう。
小骨はあるの? (Are there bones?)
「あります。でも心配しないで」と伝えましょう。
“Yes, there are tiny bones, but they are cooked until they become very soft and safe to eat.”
(小さな骨はあるけど、とても柔らかくなるまで調理されているから安全だよ)
毒はないの? (Is it poisonous?)
うなぎの血液には毒がありますが、加熱で消えることを説明して安心させましょう。
“Raw eel has toxins, but grilling completely removes them. That’s why we always eat it cooked, never as sashimi.”
(生のうなぎには毒素があるけど、焼くことで完全になくなるんだ。だから刺身では食べず、必ず加熱して食べるんだよ)
アナゴとは違うの? (Is it different from Anago?)
お寿司屋さんなどで聞かれるかもしれません。味の濃厚さで区別すると分かりやすいです。
“Unagi is rich and fatty, while Anago (sea eel) is lighter and softer.”
(うなぎは濃厚で脂が乗っていて、アナゴはもっとあっさりして柔らかいよ)
まとめ
最後に、もう一度大切なポイントを振り返りましょう。
- 第一声で「Eel」と言わない。 「Japanese BBQ Fish」と紹介する。
- 「Snake」のイメージを払拭する。 「Fluffy(ふわふわ)」や「Caramelized(香ばしい)」という言葉を使う。
- 食べる理由を伝える。 「夏の天然エナジードリンク」として紹介する。
英語が完璧である必要はありません。大切なのは、ゲストに「美味しいものを食べてほしい」というあなたの気持ちです。
この「Japanese BBQ Fish」戦略を使えば、きっとゲストは恐る恐るではなく、ワクワクしながら箸を伸ばしてくれるはずです。自信を持って、日本の夏の味をシェアしてきてくださいね!
- What Is Unagi? – The Spruce Eats
- Why Japanese Eat Unagi in Summer: Tradition, Health, and Local Spots – Umami Bites



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