「せっかく釣ったうなぎ、家族に振る舞いたいけれど、バケツの中で暴れ回る姿を見て途方に暮れている……」
そんな経験はありませんか?
YouTubeでプロの職人が鮮やかに捌く動画を見ても、「目打ち」もなければ「うなぎ包丁」もない家庭のキッチンでは、真似をするだけで大怪我につながるリスクがあります。
しかし、諦める必要はありません。
膨大な釣り人ブログや料理研究家のデータを分析した結果、「プロの技術」を「物理的な工夫」で代用する、初心者専用の最適解が見つかりました。
結論から申し上げます。
「冷凍庫」で動きを止め、「大型カッターナイフ」で皮を切る。これこそが、道具のないお父さんが最も安全にうなぎを捌く唯一の方法です。
この記事では、精神論や根性論は一切抜きにして、誰でも再現可能な「負けない戦い方」をステップバイステップで解説します。
今夜の食卓を、家族の笑顔で満たすための準備を始めましょう。
なぜ「プロの動画」通りにやると失敗するのか?
まず、私たちが直面している「敵」の正体を正しく理解しましょう。
多くの初心者が失敗するのは、準備不足のまま「生きたうなぎ」という猛獣に挑んでしまうからです。
うなぎの捌きが難しい理由は、以下の「三重苦」にあります。
- 圧倒的な生命力と動き:まな板の上でも激しく暴れ、固定することすらままなりません。
- 制御不能なぬめり:体表を覆うムチン質のぬめりは、素手で掴むことを不可能にし、包丁を滑らせて指を切る最大の原因となります。
- ゴムのような強靭な皮:一般的な家庭用包丁(三徳包丁)の切れ味では、うなぎの皮に刃が食い込まず、無理に力を入れて事故を招きます。
プロの職人は、これらを「目打ち(錐で固定)」「長年の技術」「専用の包丁」で克服しています。
しかし、これらを持たない私たちが同じ土俵で戦っても、勝ち目はありません。
だからこそ、私たちは「戦い方」を変える必要があります。
技術で対抗するのではなく、道具と知恵を使って、これらのハードルを物理的に排除してしまうのです。
道具なしパパの味方!「冷凍×カッター」メソッドとは
では、具体的にどうすればよいのでしょうか。
私が提案する「冷凍×カッター」メソッドは、以下の3つのハックを組み合わせたものです。

1. 「冷凍締め」で動きを止める
これが最大のポイントです。
生きたまま捌くのは諦めてください。
ジッパー袋に入れて冷凍庫に入れることで、うなぎを仮死状態にします。
動きさえ止まれば、うなぎはただの「細長い食材」となり、落ち着いて作業ができます。
2. 「熱湯」でぬめりを無効化する
塩で揉む方法は重労働なうえ、完全には取れません。
プロの料理店でも採用されている「熱湯メソッド」を使います。
70〜80℃のお湯をかけることでぬめりが白く凝固し、驚くほど簡単に取り除くことができます。
3. 「大型カッターナイフ」で皮を制す
ここがデータ分析から導き出された「常識の転換」です。
実は、研いでいない家庭用包丁よりも、100円ショップで買える「大型カッターナイフ」の方が、うなぎの皮を切るには圧倒的に安全なのです。
カッターナイフは刃が薄く鋭利であるため、抵抗なく皮にスッと入ります。
また、切れ味が落ちたらすぐに刃を折って新品の状態にできるため、常に最高のパフォーマンスを発揮できます。
【実践編】失敗しないうなぎの捌き方 4ステップ
それでは、実際の手順を解説します。
スマホを片手に、焦らず一つずつ進めてください。
Step 1: 【仮死化】冷凍庫で40分〜60分
まず、うなぎをジッパー付きの保存袋に入れます。
この時、少量の水(または氷水)を一緒に入れておくと、冷却効率が上がります。
そのまま冷凍庫に入れ、40分〜60分待ちます。
完全にカチコチに凍らせるのではなく、「動かなくなる仮死状態」を目指します。
時間が短すぎると途中で蘇生して暴れ出すため、しっかりと時間を計ってください。
Step 2: 【ぬめり取り】70℃の熱湯マジック
動かなくなったうなぎをボウルやバットに取り出します。
ここに、約70℃のお湯(沸騰したお湯に少し水を足した程度)を全体に回しかけます。
すると、透明だったぬめりが一瞬で白く濁ります。
ここですかさず、包丁の背やスプーンを使って、白いぬめりをこそげ落としてください。
驚くほどポロポロと取れ、滑り止め効果でその後の作業が劇的に楽になります。
Step 3: 【切断】カッターナイフで「なぞる」
まな板の上にうなぎを置きます。
頭を左(右利きの場合)にし、背中側から大型カッターナイフの刃を入れます。
ここでのコツは、「切ろう」と力を入れるのではなく、中骨の上に沿って刃を「なぞらせる」感覚で動かすことです。
カッターナイフの鋭利な刃先なら、力まなくても皮と身が切れていきます。
中骨に当たっている「カリカリ」という感触を頼りに、尾の方まで切り進めてください。
※注意:中骨自体は硬いため、カッターで切断しようとすると刃が欠ける危険があります。
頭や中骨を切り落とす際は、無理せず「キッチンバサミ」を使用してください。
Step 4: 【毒処理】加熱で無毒化を確実にする
開いた後は、内臓を取り除き、背骨についた赤い「血合い」を歯ブラシなどで流水を使ってきれいに洗い流します。
ここで重要なのが「毒」への理解です。
うなぎの血液には「イクシオトキシン」という毒素が含まれていますが、これは60℃で5分以上加熱することで完全に無毒化されます。
したがって、生食(刺身など)は絶対に避け、必ずしっかりと火を通す調理(白焼き、蒲焼)を行ってください。
このルールさえ守れば、過度に恐れる必要はありません。
よくある疑問(骨の処理・毒の不安)
作業中に浮かぶであろう疑問に、先回りしてお答えします。
手に血がついてしまいましたが、大丈夫ですか?
傷口や目に入らなければ問題ありません。
うなぎの血液毒は、口から入っても消化器官で分解されることが多いですが、傷口や粘膜(特に目)に入ると激しい炎症を起こします。
作業中は目をこすらないように注意し、作業後は直ちに石鹸で手をよく洗ってください。
骨が硬くてうまく取れません。
無理に取ろうとせず、「骨せんべい」にしてしまいましょう。
プロのようにきれいに中骨を透き取るのは至難の業です。
キッチンバサミで背骨を切り取ったら、その骨は捨てずに油で揚げて「骨せんべい」にすると、カルシウム満点のおつまみになります。
身の方に残った小骨も、じっくり焼くか、圧力鍋で蒸すことで気にならなくなります。
まとめ
最後に、今回のポイントを整理します。
- プロの真似はしない:素手で生きたうなぎに挑むのは無謀です。
- 冷凍庫を活用する:40〜60分の冷凍で、動きを物理的に封じます。
- カッターナイフを使う:家庭用包丁よりも安全に、強靭な皮を攻略できます。
- 加熱を徹底する:毒のリスクは、十分な加熱調理で排除できます。
形が少しくらい不格好でも、皮が破れていても構いません。
炭火やグリルで香ばしく焼き上げ、甘辛いタレを絡めれば、それは間違いなく「世界で一番おいしい蒲焼」になります。
何より大切なのは、お父さんが怪我をせず、笑顔で食卓を囲むことです。
さあ、まずはうなぎをジッパー袋に入れて、冷凍庫へ向かいましょう。
その一歩が、家族の思い出に残る最高の夕食へと繋がっています。
- ウナギの捌き方 [日淡会] – 日本淡水魚愛護協会
- うなぎの捌き方!初心者にも簡単なカッターを使う方法! – Fishingoood
- 自然毒のリスクプロファイル:魚類:血清毒 – 厚生労働省
- 美味しいうなぎを自宅で!正しい捌き方とコツ – かぼちゃのたね



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